住宅需要から見る沖縄県の基準地価
今月のTOPICSデータ
- 沖縄県の住宅地は5.3%上昇
- 市町村によって異なる住宅地の上昇率
- 世帯数の増加から見る住宅需要
- 持ち家率から見る潜在的な住宅需要
定点観測データ
- 沖縄県中古マンション流通レポート
- 沖縄県住宅着工戸数
今月のトピックス
「住宅需要から見る沖縄県の基準地価」
沖縄県では、しばらくの間、地価の上昇が続いています。
9月15日に発表された「都道府県地価調査」によると、沖縄県の住宅地地価の平均変動率は5.3%上昇となりました。前年の5.7%上昇からはやや縮小したものの、全国の住宅地が1.0%上昇にとどまるなか、引き続き高い上昇率となっています。
沖縄県の住宅地は5.3%上昇
まず、2026年の沖縄県の地価を見てみましょう。
■基準地価(住宅地)前年変動率の推移(全国・沖縄県)

(国土交通省「都道府県地価調査」より作成)
2026年7月1日時点の地価を調査した都道府県地価調査では、沖縄県の住宅地の平均変動率は5.3%の上昇となりました。2025年は5.7%上昇だったため、上昇率はやや縮小しています。それでも全国の住宅地の上昇率は1.0%であり、沖縄県の住宅地は全国平均を大きく上回っています。
沖縄県では、住宅地の地価上昇が2014年から続いています。一方で、建築費の上昇や物価高、金利、建設業界の人手不足などが土地需要を抑える要因となっており、こうした影響もあって上昇率は前年より縮小しました。
では、こうした地価上昇は県内のどの地域でも同じように起きているのでしょうか。
市町村によって異なる住宅地の上昇率
2026年の市町村別の住宅地の平均変動率を見ると、県内でも上昇率には大きな差があります。
■市町村別 2026年基準地価(住宅地)

県平均の5.3%を上回る市町村がある一方で、伊江村では0.3%の下落、国頭村では0.2%の上昇にとどまっています。
上昇率の高い地域には、北谷町、宜野座村、恩納村、宮古島市、名護市、今帰仁村など、観光やリゾートとの関係が深い地域も含まれています。
ただし、住宅地の地価は観光需要だけで決まるものではありません。沖縄県は住宅地の上昇要因として、低い持ち家率による潜在的な住宅需要や、住宅地の供給エリアの拡大などを挙げています。
そこで、実際の住宅需要を考える手がかりとして、まず沖縄県内の世帯数の変化を見てみましょう。
世帯数の増加から見る住宅需要
住宅需要を考えるうえで、まず世帯数の変化を見てみましょう。
■世帯数増加率(令和3年→8年)

(沖縄県「市町村の町字別住民基本台帳人口及び世帯数」より作成)
2021年から2026年にかけて、沖縄県内では多くの市町村で世帯数が増加しています。特に恩納村は14.3%、宜野座村は13.9%、南城市は11.5%、八重瀬町は10.7%増加しました。
世帯数が増えれば、それだけ住宅そのものに対する需要も生まれます。一方で、世帯数の増加率と住宅地の地価上昇率が必ずしも一致するわけではありません。
例えば、南城市では世帯数が11.5%増加していますが、住宅地の基準地価変動率は5.9%です。一方、北谷町では世帯数が8.8%増加するなか、基準地価変動率は11.7%となっています。
このように、世帯数の増加は住宅需要を考えるうえで重要な要素ですが、地価の動きには、土地の供給状況や地域ごとの需要など、複数の要因が影響していると考えられます。
では、こうした住宅需要のうち、持ち家に対する潜在的な需要はどの程度あるのでしょうか。
持ち家率から見る潜在的な住宅需要
沖縄県の住宅地の地価上昇について、県は要因の一つとして「低い持ち家率による潜在的な住宅需要」を挙げています。
2023年の住宅・土地統計調査によると、沖縄県の持ち家率は42.6%で、全国で最も低い水準です。
■市町村別 持ち家比率(2023年)

(総務省統計局「住宅・土地統計調査」より作成)
沖縄県では、住宅を所有していない世帯が多く、持ち家を取得する潜在的な需要があると考えられます。
ただし、持ち家率は地域によっても大きく異なります。那覇市は35.5%、宜野湾市は32.6%、石垣市は32.3%など、県平均を下回る地域がある一方、南城市は68.7%、八重瀬町は61.3%、北中城村は56.7%など、持ち家率が高い地域も見られます。
世帯数が増えている地域でも、持ち家率や地価の上昇率には違いがあります。こうした地域ごとの住宅の所有状況も、住宅需要や土地価格を考えるうえで一つのポイントになりそうです。
まとめ
2026年の沖縄県の住宅地は5.3%上昇し、前年より上昇率は縮小したものの、全国平均の1.0%を大きく上回りました。
一方、市町村別に見ると上昇率には差があり、世帯数の増加率が高い地域でも、地価の上昇率はそれぞれ異なります。地価の動きには、世帯数の変化だけでなく、土地の供給状況や地域ごとの住宅需要など、さまざまな要因が関係していると考えられます。
また、沖縄県は住宅地の地価上昇の背景として、低い持ち家率による潜在的な住宅需要を挙げています。県全体の地価上昇を見るだけでなく、世帯数や持ち家率など、実際に暮らす人の住宅需要に目を向けることで、地域ごとの地価の動きもより捉えやすくなります。
今後の沖縄県の地価を考えるうえでも、地域ごとの住宅需要と土地の供給状況を合わせて見ていくことが重要になりそうです。
定点観測データ
Ⅰ 沖縄中古マンション流通レポート
■沖縄県中古マンション成約状況
出典:(公財)東日本不動産流通機構
<成約件数>

<平均成約㎡単価>

■沖縄県 中古マンション新規登録状況
<新規登録件数>

<平均新規登録㎡単価>

<対新規登録成約率>
※当月成約件数÷当月新規登録件数

<成約価格と新規登録価格の差(㎡単価)>
※新規登録価格-成約価格

■沖縄県 中古マンション在庫状況
<在庫件数>

<平均在庫㎡単価>

<対前月在庫成約率>
※当月成約件数÷前月在庫件数

<成約価格と在庫価格の差(㎡単価)>
※在庫価格-成約価格

Ⅱ 沖縄県住宅着工戸数
■沖縄県貸家着工戸数
出典:国土交通省

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