”企業の持続的成長につなげる” 不動産戦略とは
大鏡CREマネジメント研究所 フォーシーズンズセミナー vol.9 が 2月13日(木)沖縄県立博物館・美術館(1F 美術館講座室)にて開催され、沖縄県内企業様(14社)に参加いただきました。
第1部「最新版 全国と沖縄の不動産市況分析」


第1部では、経営コンサルタントで不動産エコノミストの第一人者である 吉崎誠二氏を講師に迎え、最新データを使った全国と沖縄の不動産市況の分析や、今年2020年に開催される東京オリンピック後の不動産価格などの市況について、沖縄の住宅事情、中小企業における不動産活用、CREにおけるパートナー企業選び などについて講演いただきました。
<第1部のポイント>
- 近年の不動産市況と金利動向
– 沖縄の市況
– オリンピック後はどうなるか - 沖縄県における今後の住宅需要予測
- 沖縄の住宅事情
- 企業と不動産のあり方の変化
- 中小企業における不動産活用
- CREにおけるパートナー企業選び
近年の不動産市況と金利動向 – 沖縄の市況

沖縄県の地価公示の増減率を見ると、住宅地も商業地も上昇が続いてきていますが、吉崎氏によると、この伸びも次第にとまってくるのではないかと予想しています。
また、沖縄不動産市場DI推移(賃貸動向)データを見ると、高値が続いています。賃料は、景気の影響から少し遅れて数字が変化してくるため、あと数年はこのままの高値が続くのではないかと予想されます。
近年の不動産市況と金利動向 – オリンピック後はどうなるのか

今年2020年、いよいよ東京オリンピックが開催されますが、市況はどうなるのでしょうか。
オリンピック開催前~開催年~開催後 に分けて解説していきます。
★Point:不動産価格に直接影響する要因(出来事)は『インフラ整備が進むこと』★
【開催前(オリンピック決定~開催年)】
まず、オリンピック開催が決まると、次の事が確実に起こります(過去の事例)。
- 外国人観光客が増える⇒ホテル需要の高まりからホテルが増える
- 開催都市で、インフラ整備が一気に進む
特に、東京や沖縄ではマンションに近い、中型のホテルが増える傾向にあります。
中型のホテル=マンション用地と競合しますので、価格上昇が起きます。
【開催前(オリンピック開催年~3年間)】

当然のことながら、ホテル不動産は厳しくなります。
外国人観光客が減る⇒供給過剰になる⇒単価が下がるからです。
一方、住宅価格(不動産価格)はどうなるのでしょうか。
マスコミなどでは、下がると言われているようですが、実は過去のケースを見ると、オリンピック後も4年程度は価格が上昇するというのが定番です。
東京の場合、オリンピック開催決定からの6年で約1.3倍になりましたが、この後の上昇幅は少ないのではないか?と予想されます。
沖縄県における今後の住宅需要予測

沖縄県は人口が増え続けていますが、2025年~2030年頃をピークに、その数は減少傾向にあると予想されています。
その一方で、世帯数・単独世帯数・ひとり親世帯数の予測データを見てみると、今後ますます伸びていくと予想されています。
住宅は、世帯で住みますので、世帯数が増えれば その分 住宅のニーズが増えるということにつながりますので、
今後も住宅のニーズは増えていくことが分かります。
持ち家比率が全国で1番少ない沖縄 ~賃貸大国~
都道府県別の持ち家比率の比較を見ると、沖縄県は、全国で一番持ち家を持たない=賃貸住まいの多い県です。
全国的には、東日本が持ち家比率が高く、西日本が持ち家比率が低いという傾向にありますが、
恐らく、文化の違いではないか、と言われています。(持ち家でなくても賃貸でいい、的な)
県外からの移住者も多い沖縄では、そうした移住者は恐らく賃貸住宅に住む傾向にあるということと、
特に那覇市では、仕事の関係で沖縄県内の他地域から引っ越してくる人も多く、内地で言う「東京化」が進んでいるのも要因でしょう。
まさに沖縄は『賃貸大国』なのです。
世帯類型別持ち家比率を見ても、親族世帯での持ち家比率が全国で最も少なく、単身世帯の賃貸比率が全国的に見ても多くなっています。

企業と不動産のあり方の変化 ~「持たざる経営」から「持つ経営」へ ~
毎回、当セミナーでお伝えしていることですが、誰もが知っている大企業も、実は不動産を活用して収益を上げ、経営を安定化させています。
主に、「低利用地不動産」と「遊休不動産」を活用しているケースが多く、本業に影響しない範囲の不動産を活用しています。
2000年代前半のCREブームでは、株価の低迷や負の遺産の精算期で企業の業績悪化に伴う資産の売却等が進み、不動産を「持たざる経営」がもてはやされていました。
しかし、近年の経済回復基調の中で、事業会社の不動産に対する関心が高まり、不動産を「持つ経営」に変化し、不動産を「企業の成長・発展に寄与する手段」として活用する企業が増えています。
どんな事業にも波があり、こうした際に不動産があれば、その「賃料」で本業以外での安定した収入を確保することができます。
先ほどのように大企業も不動産を活用して収益を上げ、経営を安定化させていることを考えると
不動産を「持つ(持っている)」企業が、永く安定した経営を続けている「強い企業」であるといえます。
CRE戦略 ~ 不動産を所有する企業における不動産戦略の5つのアクションの具体策

CREとは、Corporate Real Estate の頭文字をとったもので、企業が所有する不動産 を指します。
そして、企業と不動産の関わり方=CRE戦略 です。
このCRE戦略の考え方としては、財務の視点・経営の視点・不動産の視点 の3つの視点を統合的に考えることが重要になります。
その点を踏まえ、企業が所有する不動産を最大限有効に活用することにより、「企業価値の最大化」を図ることが可能なのです。
不動産を所有する企業における不動産戦略の5つのアクション具体策
企業が所有する不動産を活用する、とは具体的には以下のような具体策が考えられます。
- 1) 遊休地の活用→ 例)かつての工場用地、倉庫に賃貸住宅を建設
- 2) 低利用地活用→ 例)容積率を消化しきれていない物件の建替え(低階層自社店舗、高層階賃貸住宅)
例)隣地の併合で、大型ビルを建築(地階~1階店舗、2~3階テナント、3~ホテル) - 3) コンバージョン→ 例)社宅の建替えを機に、同一敷地内に賃貸住宅を建設、社宅建替え費用に充当
- 4) 新規購入→ 例)土地の購入+賃貸物件の建築
- 5) 売却 / 遊休地、未利用地を売却
パートナー企業選びが大切

そうした企業の不動産戦略には、やはりパートナー企業選びが重要なポイントになります。

企業の不動産戦略は、”今すぐ” でないことが多いので、普段から 長期的にパートナーシップを結んでおくことが大切です。
規模や時期などの制限がつきものですので、財務状況などを含めた経営的な戦略を常日頃からわかっておいてもらう必要があるからです。
また、不動産流通専業ではなく、総合的な不動産アドバイスができるかどうか、も必要です。
そしてポイントは、「個人(担当者)」ではなく「企業」で選ぶということ。
その企業が関わった事例はどうか(専門性) や、ずっと存続していける力のある企業なのかどうか(企業力)。
長期パートナーになるべく、経験値が多く、30年先も存続している企業なのかどうか、が大切です。


第2部「パネルディスカッション」吉崎誠二氏 × 大鏡建設 入石垣

第2部は、吉崎誠二氏と大鏡CREマネジメント研究所 入石垣(大鏡建設)によるパネルディスカッション。
第1部で 企業の不動産戦略について学んだ後は、実際にこれまで大鏡建設が手掛けたCREマネジメント事例をご紹介しながらのディスカッションです。

大鏡建設が手掛けた CREマネジメントの事例をいくつか ご紹介しました。


今回も、実際の写真(CRE導入前・導入後など)を交えながら、
- 依頼内容
- 問題点・課題点
- 提案内容(問題点・課題点をふまえ どのような提案を行ったか)
- CREマネジメント組み立て図
- 結果、どのような効果がでたのか
という 5つのポイントで入石垣より説明させていただき、吉崎誠二氏には不動産エコノミストの目線からコメントをいただきながらのディスカッションです。

参加企業の皆様からは、具体的な質問なども多く声をあげていただき、有意義なディスカッションとなりました。




参加者の皆様に事例集&施工実績集をプレゼント

今回は、参加いただいた方皆様に、大鏡CREがこれまで手掛けた実例をまとめた事例集及び大鏡建設の施工実績集をプレゼントさせていただきました。
様々な活用パターンでご紹介していますので、自社の不動産状況に合わせて、参考にしていただければと思います。

その他 大鏡CREマネジメント研究所の概要・取り組みのご紹介
最後に、大鏡CREの取り組みについてのご案内させていただき、
どのようなフローで、どのようなデータをもとにマネジメントしていくのか、
その企業のどこを「企業価値」として見出していくのか、をご説明させていただきました。
参加企業様からの声(アンケートより抜粋)
参加企業様に回答いただいたアンケートでは、
「沖縄の今の現状、事例をたくさん紹介して頂き、とても良かったです。」
「土地価格のピークが過ぎ、すでに不動産が売れなくなっている中、オリンピック後の不動産市況について、海外のデータなどから大変参考になった。」
「県内の今後の動向について参考になりました。」
「事例等の説明が分かりやすく良かった。」
「沖縄県の不動産状況が大変参考になりました。」
「不動産の有効活用事例を通して今後のマネジメント(組立て)がよく分かった。」
「不動産活用の方法が色々あり、勉強になりました。」
などのご感想をいただきました。ありがとうございました!
また、
参加企業様の興味関心がある事 をおたずねしたところ、
・自社不動産の有効活用について(社宅・倉庫・民泊・事務所移転・賃貸マンションなど)
・不動産を使って財務内容の改善、向上
・事業承継対策(不動産整理・株・税金対策・その他)
といった点に関心が集まっている企業様が多かったです。
皆様 お忙しい中、ご参加いただきまして誠にありがとうございました!

次回 フォーシーズンセミナー開催について
次回の大鏡CREマネジメント研究所 フォーシーズンセミナー vol.10 は以下で予定しております。
■ 大鏡CREマネジメント研究所 フォーシーズンセミナー vol.10
日時:2020年5月下旬(予定)
場所:沖縄県立博物館・美術館(1F 美術館講座室)予定
内容等 くわしくは 大鏡CREマネジメント研究所webサイトのほか、公式facebook、公式twitter でご案内させていただきます。
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