人材確保に効果的な企業不動産活用とは
大鏡CREマネジメント研究所 フォーシーズンズセミナー vol.5 が 11月20日(火)沖縄県立博物館・美術館(1F 美術館講座室)にて開催され、人材確保に効果的な企業不動産活用について取り組もうとしている沖縄県内企業様(10社)にお越しいただきました。
第1部「企業の不動産活用と これからの社宅の在り方」
第1部では、経営コンサルタントで不動産エコノミストの第一人者である 吉崎誠二氏を講師に迎え、最新データを使った全国と沖縄の不動産市況解説や、企業の不動産戦略の考え方、採用力向上のための不動産戦略、社宅・福利厚生のこれからの在り方などについて講演いただきました。
不動産を「持たない」経営から「持つ」経営へ
2000年代前半は、不動産を「持たない」経営が多く、持たざる経営、合理的な経営が行われていたと想定されます。
しかし 最近では「持つ」経営へと変化しています。不要な不動産、使っていない不動産、またはあまり効果的に使われていない不動産は思い切って処分する。一方で、本業以外の収益としての不動産賃料収入を得ている企業が多くなっています。
中小企業とCRE戦略
沖縄では他県に比べ ファミリー企業が多いのが特徴ですが、その多くは中小企業です。
ファミリー企業の場合、所有する不動産の垣根(オーナーのものなのか、会社のものなのか)が曖昧であることも多く、自前でCRE戦略を良い結果に結びつけることが難しくなっています。
企業の採用戦略と不動産のあり方
企業が人材を「選ぶ」時代から、企業が「選ばれる」時代へと変化してきています。「選ばれる企業」になる必要性があるのです。
「選ばれる企業」になるには、2大要素があります。
- 給与・待遇
- 安定性・成長性
その他、仕事(オフィス)の環境や、従業員の給与以外での待遇も 大きなポイントになっており、
- 社宅を用意する
- 住居手当をつける
といった企業が とても増えています。
そのため、一時期減少した社宅が今 どんどん増えています。
不動産を「持たない」経営から「持つ」経営へとなっているのも、自社所有の不動産を活用し 収益を得ている以外に、
こうした社宅の必要性という時代背景も 影響しているのかもしれません。
社宅が採用活動に与える影響、社宅の利用動向、新しい社宅のかたち
今回 参考にしたデータでは、寮・社宅を福利厚生として提供していることが採用につながったと感じている企業が半数近くにも及び、今後、新たに 寮・社宅を増やしていきたい、という意欲を持つ企業も多いということが分かり、今後も ますます増える可能性が予想されます。
時代と共に、社宅の形体も変化しており、
自前で建てるだけでなく、アパートなどの一棟借りや、複数企業で合同で使う混合社宅、社宅の一部を賃貸住宅にし収益を得る など様々です。
パートナー企業選びが大切
最後に、CRE戦略のパートナー選びについて。
企業の不動産戦略は、”今すぐ” でないことが多いので、普段から 長期的にパートナーシップを結んでおくことが大切です。
いざ 必要に迫られた際に、単純な「売り・買い」ではないので、財務状況などを含めた経営的な戦略を常日頃からわかっておいてもらう必要があるからです。
欧米では、弁護士のように 企業が顧問契約を結んでいるケースが多いのは そういった理由からなのでしょう。
そしてポイントは、「個人(担当者)」ではなく「企業」で選ぶということ。
その企業が関わった事例はどうか(専門性) や、ずっと存続していける力のある企業なのかどうか(企業力)。
「売りましょう」「買いましょう」ではなくて、経営戦略と関連づけたアドバイスをしてくれるかどうか、が大切なのです。
第2部「パネルディスカッション」吉崎誠二氏 × 大鏡建設 入石垣 佑浩
第2部は、吉崎誠二氏と大鏡CREマネジメント研究所 入石垣(大鏡建設)によるパネルディスカッション。
第1部で CRE(企業不動産)や社宅活用について学んだ後は、実際にこれまで大鏡建設が手掛けたCREマネジメント事例をご紹介しながらのディスカッションです。
大鏡建設が手掛けた CREマネジメントの事例をいくつか ご紹介しました。
今回も、実際の写真(CRE導入前・導入後など)を交えながら、
- 依頼内容
- 問題点・課題点
- 提案内容(問題点・課題点をふまえ どのような提案を行ったか)
- CREマネジメント組み立て図
- 結果、どのような効果がでたのか
という 5つのポイントで入石垣より説明させていただき、吉崎誠二氏には不動産エコノミストの目線からコメントをいただきながらのディスカッションです。
今回は、低利用地の活用により 老朽化した建物を建て替え、家賃収入UPによりキャッシュフローの改善に成功した事例などの他、大鏡建設の社宅管理代行サービスについてもご紹介させていただきました。
参加企業の皆様からは、具体的な質問なども多く声をあげていただき、有意義なディスカッションとなりました。
その他 大鏡CREマネジメント研究所の概要・取り組みのご紹介
最後に、大鏡CREの取り組みについてのご案内させていただき、
どのようなフローで、どのようなデータをもとにマネジメントしていくのか、
その企業のどこを「企業価値」として見出していくのか、をご説明させていただきました。
参加企業様からの声(アンケートより抜粋)
参加企業様に回答いただいたアンケートでは、
「働き方改革を進めていくなか、社宅について検討する必要性があると思った。」
「CREの概念に触れることができ、理解できた。」
「事例紹介・ディスカッション・質問等で理解が深まった。」
「自社の土地をもっと有効活用したいので、ぜひアドバイスが欲しい。」
などのご感想をいただきました。ありがとうございました!
また、
参加企業様の興味関心がある事 をおたずねしたところ、
・自社不動産の有効活用について(社宅・倉庫・民泊・事務所移転・賃貸マンションなど)
・不動産を使って財務内容の改善・向上
・人材確保対策(事業規模の拡大・福利厚生の充実・その他)
・事業所数の拡大
といった点に関心が集まっている企業様が多かったです。
皆様 お忙しい中、ご参加いただきまして誠にありがとうございました!
次回 フォーシーズンセミナー開催について
次回の大鏡CREマネジメント研究所 フォーシーズンセミナー vol.6 は以下で予定しております。
■ 大鏡CREマネジメント研究所 フォーシーズンセミナー vol.6
日時:2019年5月下旬(予定)
場所:沖縄県立博物館・美術館(1F 美術館講座室)予定
内容等 くわしくは 大鏡CREマネジメント研究所webサイトのほか、公式facebook、公式twitter でご案内させていただきます。
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