2022.5発表)企業物価指数と消費者物価指数 short.2

  • お知らせブログ記事
2022.5発表)企業物価指数と消費者物価指数 short.2

企業物価指数と消費者物価指数

5月20日に消費者物価指数が前年同月比2.1%上昇と発表されました。
消費税8%増税による上昇時以来の2%の大台といいます。

5月16日発表の「企業物価指数」は前年同月比10%上昇。
統計開始以降で最高水準でした。
ロシアのウクライナ侵攻などに伴う原油や原材料の高騰に加え、円安による輸入価格上昇が影響したようです。

企業間物価指数が10%上昇に対して消費者物価指数が2.1%にとどまったのは、企業が経費削減などで販売価格への影響緩和を図っているためだと考えられます。

「値上げに踏み切れる企業」と「踏み切れない企業」

値上げを行っているのは、ある程度企業体力があり、値上げの影響に耐えられる企業が多くみられ、
逆に規模が小さい企業は客離れや、契約打ち切り等を恐れ値上げを言い出しにくい状況だと言います。

上記のように、競合思考の価格設定は小売業や運送業などのようにある程度価格が設定されている業態に多くみられます。

建築業界などのような価格が事前に決まっていない場合は、積算により価格設定(コストプライス価格設定)を行います。

積算による価格設定は、「必要な資材の数量」「必要機材」「必要日数・工数」などを計算しその合計額に必要経費や利益を加えて算出します。

その為、材料費高騰が価格決定に影響を受けやすいと言えます。

供給側に起因した「コストプッシュインフレ」と需要に起因した「ディマンドプルインフレ」

今回の値上げは「コストプッシュインフレ」にあたります。
原材料費などコストの上昇が原因で発生するインフレであり、原材料や資源を供給する企業が価格を引き上げることによって起こるインフレです。

コストプッシュインフレに対して「ディマンドプルインフレ」は需要拡大などの要因でインフレが起こることをいいます。
コロナ発生初期に起こった「マスク」の品薄問題などがそれにあたります。

マスクのように、供給が原因でない場合はいずれ需要を満たす事ができるため一時的なものとなります。(最近は大量生産したマスクが安価で売られているのを見かけるようになりました。)

輸入物価の上昇によるコストプッシュインフレの影響

今回の「コストプッシュインフレ」は「輸入物価の上昇」「石油価格の上昇」が大きな要因の一つとなっています。
価格の上昇分は日本に還元されず、海外へ渡ってしまいます。

国民の所得は一円も増えない状況で、物価上昇により支出金額のみが増える、そうなると「財布のひもを引き締める」デフレ化の現象がおこります。

需要と供給では、需要が減ると価格が下がり(デフレ)、需要が増えると価格が上がる(インフレ)が通常とされていますが、今回は需要が増えず、価格が上がるという状態になっています。

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。