「構造見学会」と「完成見学会」
見学会には2つのパターンがあります。施工途中に開催される「構造見学会」と建物が完成した後に行われる「完成見学会」です。
構造見学会は、工事の途中に行われます。そのため、内装工事が始まると見ることのできない土台部分(基礎工事部分)や構造部分(梁や柱、連結部分)などを見ることができます(工事進行状況により異なります)。
そのため、おもに、耐震性、安瀬院生に関しての疑問を解消する場ということになります。
また、「工事真っただ中」というタイミングに工事を一時的に止めて見学会を行いますので、工事現場の状況が分かります。
ある建築士から、「現場が綺麗で片付けなどがきちんと行われている現場では、職人さんたちが丁寧に仕事をしていることが多く、丁寧な施工が行われている可能性が高い」と聞いたことがあります。
こうした事も、構造見学会でうかがい知ることができます。
また、その場に職人さんがいると、実際に話を聞くこともできます。
一方、完成見学会では、施工会社の「こだわり」や施主(オーナー様)のこだわりなど、建物の仕上がりを見る場ということになります。
内装のデザインや実際に使用・利用する際の導線など「使い勝手の良さ」も分かります。
加えて、工事の仕上がり状況にもよりますが、植栽や外溝といった外回りも見ることができます。
建物は、外回りの仕上がり・デザイン感で醸し出す雰囲気が大きく変わります。
こうした部分に施工会社の「こだわり」のようなものを見れればいいと思います。
建物実例をみながら、聞いておきたい事
見学会に参加した時には、ただ単に建物や構造の見学をし、現場にいる施工会社の担当者からの話を聞くだけではなく、以下のようなことを積極的に質問するといいと思います。
また、質問する内容は、事前にメモなどをしてまとめておくといいでしょう。
質問の一例をあげると、「なぜ、建築を(建て替え)をしようとしたのか」最初に、オーナー様の建築動機について。
建築は、施主の方が目的の実現に建てるものです。
その目的を聞いてから見ると見方が適切になります。
動機に加えて、打ち合わせ初めの頃は「どんな要望だったのか」も聞いておけば、より適切に建物を見ることができます。
そして、その要望をかなえるために施工会社として「苦労したこと、悩んだことは何か?」も聞き、「悩んだ末に、どう解決したのか」を実際の建物を見て説明してもらいましょう。
そうすれば、施工会社の提案力や問題解決力を推し量ることができます。
また、「この建物におけるこだわり」についても聞きましょう。
こうしたことを丁寧に応えてくれる施工会社を選ぶといいと思います。
まとめ
建築を考えるならば、実際に施工会社が建築した物件は必ずみましょう。
またできれば、複数物件見るといいでしょう。
そのためにも、積極的に「建築見学会」に参加するといいと思います。
そして、実際の建物をみながらとことん質問をして、疑問点を解消する時間をつくっていただきたいと思います。