【賃貸住宅の建て替え】
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日本では賃貸物件の建て替え期を迎えており、建て替えは今後かなり増えると思われます。
沖縄県においても、その傾向が出始めると思います。1972年に日本復帰、そして1970年代後半くらいから住宅環境も徐々に整備されて賃貸住宅の建築数も増えてきました。沖縄県における賃貸住宅のほとんどがRC造であるため、耐久性の点からすると大きな問題はありませんが、見た目、住設機器等の古さは否めません。そうなると、賃貸住宅としての競争力は大きく低下してしまいます。
沖縄県における賃貸住宅も建て替え期をむかえています。今回は賃貸住宅の建て替えの概要について考えてみます。
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ライフスタイルの変化も自宅戸建て住宅の建て替えの大きな要因
一般的な自らが住む戸建て住宅については、築年数が40年を超えた辺りから、建て替えや取り壊し、もしくは物件を手放すなどと言った、次ステップをどうするかについて検討され始めます。
自宅物件の築年数が40年を超える頃にこうした検討を始めるというのは、建物そのものの老朽化・破損などがトリガーとなることがほとんどだと思います。
しかし、それ以外に要因があることも多いようです。家族環境の変化(具体的には、子供の結婚、進学等)により、このままこの家に住み続けることがベストなのか、という疑問がわき始めます。こうしたライフスタイルの変化の方が建物の老朽化より大きな要因になることも多いようです。
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賃貸住宅の建て替え要因
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一方、賃貸住宅の建て替えの要因となるのは、老朽化でしょう。そして、その老朽化を意識するトリガーとなるのが、空室が目立つようになること、入居者様客付けに時間がかかること等があげられます。「空室が増えているのは、やっぱり、ウチの賃貸住宅はもう古いかな。。」というオーナー様の声が聞こえてきます。
大都会の超人気エリ以外では、築30年を超えた賃貸住宅は競争力を失っていきます。築30年というと1988年施工の物件です。バブル景気の上昇機運の真っただ中に建てられた賃貸物件の中には豪華な仕様のものもあります。しかし、現在はスマホやPCで物件探しをする時代です。物件内覧に行く前に、ネットで条件を入れて検索し、そこで出てきたものの中から選んで、不動産会社さんに問い合わせるという流れです。この条件では、立地条件を除けば、賃料、広さ(間取り)、築年数でまず、ふるいにかけます。〇万円以下、〇〇㎡以上、築〇〇年以内、という感じです。「実際は古さを感じないいい物件だけど、物件案内が入らない・・」となってしまう例も多いようです。
空室の増加は、賃料下落につながります。こうした悪循環が収まらないなら、いっそ建て替えを行おう!とすぐ決めれればいいですが、たいていはそんなわけにはいきません。ちなみに、いうまでもありませんが、大型リフォームをすれば、見違えるように新しい賃貸住宅になりますが、表記の築年数は変わりません。
空室増、賃料下落は賃貸住宅経営の収益を悪化させます。建物の残債務や該当エリアの将来の賃貸需要などあらゆる要因から判断して、「大丈夫」となれば、建て替えステージに進むといいでしょう。
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賃貸住宅の建て替えの流れ
自宅と異なり、「普通賃貸借契約」あるいは「定期借家契約」に基づいた賃借人がいる建物を建て替える訳ですから、これら賃借人の方の了解が必要です。ここが大きなハードルになります。賃借人の方々がすぐに了承してくだされればいいですが、時に弁護士の方に依頼する必要もあるかもしれません。
また、ある時点から順次、入居者を募集しない部屋が出てきますので、その際の収益が悪化することも考慮しなければなりません。
下図は一般的な賃貸住宅建て替えの流れ(概要)を示したものです。
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ここで、示したように検討を始めたら、まず管理会社もしくは施工会社に相談してみましょう。
建て替えて、そのエリアに賃貸住宅需要がこの先30年以上十分にあるのか?競合する物件の数の予測は?など 今後の予測をきっちり立てなければなりません。それで納得すればGOとなります。その後先に述べた賃借人(入居者様)との折衝を経て、取り壊しを行います。この後の新たな賃貸住宅を建てることになります。
社団法人 住宅・不動産総合研究所 理事長
吉崎誠二(よしざき せいじ)
(株)船井総合研究所上席コンサルタント、RealEstate ビジネスチーム責任者、基礎研究チーム責任者 等を経て現職。不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーションなどを行っている。
著書は『データで読み解く 賃貸住宅経営の極意』など多数。http://yoshizakiseiji.com
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