【不動産投資の地震リスクの大きさとしっかり備えておく必要性】CRE(企業不動産)コラム vol.9

【不動産投資の地震リスクの大きさとしっかり備えておく必要性】

2018年は6月に大阪と群馬で、9月に北海道と大きな地震がいくつも起きました。日本は地震大国と言われ、これまでもそして将来的にも地震が多く起こると言われています。今回は、不動産投資において地震とどう向き合えばいいかを考えていきたいと思います。

新耐震基準は震度〇まで耐えられる?

「新耐震基準」とは、建築物の設計において適用される地震に耐えることのできる構造の現行の基準で、1981年6月1日以降の建築確認において適用されている基準で、「中規模の地震(震度5強程度)に対しては、ほとんど損傷を生じず、極めて稀にしか発生しない大規模の地震(震度6強か ら震度7程度)に対しては、人命に危害を及ぼすような倒壊等の被害を生じないことを目標としたもの」です(国土交通省資料より)。
一方で、旧耐震基準に関しては、震度5強程度の揺れでも建物が倒壊しないような構造基準として設定されていました。

過去の地震でのマンションの被害状況は?倒壊はあったのか?

では、実際に過去の大地震で、新耐震、旧耐震の被害状況はどの程度だったのでしょうか。

■阪神大震災 兵庫県耐震基準別建物被災状況
大鏡CREマネジメント研究所|CREコラム「不動産投資の地震リスクの大きさとしっかり備えておく必要性」

■東日本大震災 宮城県耐震基準別建物被災状況

大鏡CREマネジメント研究所|CREコラム「不動産投資の地震リスクの大きさとしっかり備えておく必要性」

(東京カンテイ「東日本大震災 宮城県マンション 被害状況報告(2012年)」より作成)

マンションに関して総じていえば、新耐震基準と旧耐震もそれほど大きな違いはなさそうです。とはいえ、両地震とも「被害無」の割合はあまり変わらないですが、「大破」「中破」を比べるとやはり新耐震基準の方が被害は少ないようです。

被害を最小限に抑えるための物件選び、3つのポイント

最近の日本の地震から考えると、特定のエリアが安全・危険だと予測が出来るわけではなく、日本全体、どこで地震が起きてもおかしくないような状況と言えます。つまり、地震が起きること自体は防げないので、万が一起こったとしても出来るだけ被害を最小限に抑えられるようなエリア・物件を選ぶことが重要となってきます。

そのためには…
①出来るだけ耐震性能に優れた物件にする
 旧耐震よりも新耐震、さらに言えば、制震・免震構造ならなおさらいいでしょう。
②地盤の強い物件を選ぶ
 最近では、各自治体もハザードマップを公開していますし、また、地盤情報を無料で検索できるサイトなどもあるので、ひとつの指標として確認しておくことも重要です。
③周辺環境についても把握しておく
 例えば、すぐ隣に建つマンションが地震で倒壊してしまったら…おそらく、所有物件もある程度の被害が発生してしまうでしょう。また、周辺が密集した木造住宅だった場合、万が一地震によって火災が発生してしまったら…と、該当物件だけではなく、周辺の物件や状況も把握しておくようにしましょう。

地震保険でどれくらい保障されるの?

それでも、地震が起きて被害が生じてしまった時のことを考えて、地震保険でリスクヘッジをするということも可能です。しかし、いくつか注意点があります。
まずは、保障される額についてです。ご存じの方が多いと思いますが、地震保険は単独では加入できず、火災保険のセットとなり、その保険金額も火災保険の保険金額を基準として、30%~50%の範囲で設定ができ、建物が5000万円、家財は1000万円が限度となります。そして、それが地震の際、実際にどれくらい支払われるかどうかの基準ですが、2017年1月1日の契約以降は以下の4段階になりました。

全 損:地震保険の保険金額の100%…時価額が限度
大半損:地震保険の保険金額の60%…時価額の60%が限度
小半損:地震保険の保険金額の30%…時価額の30%が限度
一部損:地震保険の保険金額の5%…時価額の5%が限度

それでは、2016年に起きた熊本地震では、地震保険のどれくらいが地震保険でカバーされたのでしょうか?損害保険料率算出機構が被災率(地震保険の支払件数を契約件数で除した割合)を公表しています。
熊本県全体では、全損4.1%、半損26.5%、一部損42.5%と認定され保険金が支払われました。また、被害のあった熊本県と大分県で、震度別に比較すると以下の通りです。

大鏡CREマネジメント研究所|CREコラム「不動産投資の地震リスクの大きさとしっかり備えておく必要性」

(損害保険料率算出機構「2016年熊本地震による地震保険の被災率」より筆者作成)

これを見ると、被害の全部を地震保険でカバーできるわけではなく、期待するほどの保障が得られそうにないというのが現状のようです。

また、保険料の負担も大きいです。地震保険の保険料は、保険対象である建物および家財を収容する建物の構造、所在地により以下のように算出されます。

■保険金額1,000万円あたり保険期間1年につき (単位:円)
大鏡CREマネジメント研究所|CREコラム「不動産投資の地震リスクの大きさとしっかり備えておく必要性」

この2点を把握した上で、慎重に地震保険の加入を検討した方がよいでしょう。

地震と向き合う

地震を回避することはできません。地震リスクに対しては、万が一起こってしまった時に、「被害を最小限に抑えるにはどうしたらいいのか」という基準で考えるといいでしょう。また、地震保険に関しては、もちろん入っていれば安心ではありますが、キャッシュフローとのバランスやいざという時に支払われる保険金がどれくらいなのかをしっかりと把握した上で、慎重に判断するようにしましょう。

不動産エコノミスト
社団法人 住宅・不動産総合研究所 理事長
吉崎誠二(よしざき せいじ)

(株)船井総合研究所上席コンサルタント、RealEstate ビジネスチーム責任者、基礎研究チーム責任者 等を経て現職。不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーションなどを行っている。
著書は『データで読み解く 賃貸住宅経営の極意』など多数。http://yoshizakiseiji.com

 

【企業の不動産活用と これからの社宅の在り方】大鏡CRE フォーシーズンセミナーVol.5 報告

人材確保に効果的な企業不動産活用とは

大鏡CREマネジメント研究所 フォーシーズンズセミナー vol.5 が 11月20日(火)沖縄県立博物館・美術館(1F 美術館講座室)にて開催され、人材確保に効果的な企業不動産活用について取り組もうとしている沖縄県内企業様(10社)にお越しいただきました。

第1部「企業の不動産活用と これからの社宅の在り方」

大鏡CRE 法人向け不動産活用セミナーvol5|人材採用力をアップする社宅戦略 企業の不動産活用とこれからの社宅の在り方 vol.5 2018年11月20日

 

第1部では、経営コンサルタントで不動産エコノミストの第一人者である 吉崎誠二氏を講師に迎え、最新データを使った全国と沖縄の不動産市況解説や、企業の不動産戦略の考え方、採用力向上のための不動産戦略、社宅・福利厚生のこれからの在り方などについて講演いただきました。

大鏡CRE 法人向け不動産活用セミナーvol5|人材採用力をアップする社宅戦略 企業の不動産活用とこれからの社宅の在り方 vol.5 2018年11月20日

不動産を「持たない」経営から「持つ」経営へ

2000年代前半は、不動産を「持たない」経営が多く、持たざる経営、合理的な経営が行われていたと想定されます。
しかし 最近では「持つ」経営へと変化しています。不要な不動産、使っていない不動産、またはあまり効果的に使われていない不動産は思い切って処分する。一方で、本業以外の収益としての不動産賃料収入を得ている企業が多くなっています。

中小企業とCRE戦略

沖縄では他県に比べ ファミリー企業が多いのが特徴ですが、その多くは中小企業です。
ファミリー企業の場合、所有する不動産の垣根(オーナーのものなのか、会社のものなのか)が曖昧であることも多く、自前でCRE戦略を良い結果に結びつけることが難しくなっています。

企業の採用戦略と不動産のあり方

企業が人材を「選ぶ」時代から、企業が「選ばれる」時代へと変化してきています。「選ばれる企業」になる必要性があるのです。
「選ばれる企業」になるには、2大要素があります。

  • 給与・待遇
  • 安定性・成長性
  • その他、仕事(オフィス)の環境や、従業員の給与以外での待遇も 大きなポイントになっており、

  • 社宅を用意する
  • 住居手当をつける
  • といった企業が とても増えています。
    そのため、一時期減少した社宅が今 どんどん増えています。

    不動産を「持たない」経営から「持つ」経営へとなっているのも、自社所有の不動産を活用し 収益を得ている以外に、
    こうした社宅の必要性という時代背景も 影響しているのかもしれません。

    社宅が採用活動に与える影響、社宅の利用動向、新しい社宅のかたち

    今回 参考にしたデータでは、寮・社宅を福利厚生として提供していることが採用につながったと感じている企業が半数近くにも及び、今後、新たに 寮・社宅を増やしていきたい、という意欲を持つ企業も多いということが分かり、今後も ますます増える可能性が予想されます。

    時代と共に、社宅の形体も変化しており、
    自前で建てるだけでなく、アパートなどの一棟借りや、複数企業で合同で使う混合社宅、社宅の一部を賃貸住宅にし収益を得る など様々です。

    パートナー企業選びが大切

    最後に、CRE戦略のパートナー選びについて。
    企業の不動産戦略は、”今すぐ” でないことが多いので、普段から 長期的にパートナーシップを結んでおくことが大切です。
    いざ 必要に迫られた際に、単純な「売り・買い」ではないので、財務状況などを含めた経営的な戦略を常日頃からわかっておいてもらう必要があるからです。

    欧米では、弁護士のように 企業が顧問契約を結んでいるケースが多いのは そういった理由からなのでしょう。

    そしてポイントは、「個人(担当者)」ではなく「企業」で選ぶということ。
    その企業が関わった事例はどうか(専門性) や、ずっと存続していける力のある企業なのかどうか(企業力)。

    「売りましょう」「買いましょう」ではなくて、経営戦略と関連づけたアドバイスをしてくれるかどうか、が大切なのです。

    第2部「パネルディスカッション」吉崎誠二氏 × 大鏡建設 入石垣 佑浩

    大鏡CRE 法人向け不動産活用セミナーvol5|人材採用力をアップする社宅戦略 企業の不動産活用とこれからの社宅の在り方 vol.5 2018年11月20日

     

    第2部は、吉崎誠二氏と大鏡CREマネジメント研究所 入石垣(大鏡建設)によるパネルディスカッション。
    第1部で CRE(企業不動産)や社宅活用について学んだ後は、実際にこれまで大鏡建設が手掛けたCREマネジメント事例をご紹介しながらのディスカッションです。

    大鏡CRE 法人向け不動産活用セミナーvol5|人材採用力をアップする社宅戦略 企業の不動産活用とこれからの社宅の在り方 vol.5 2018年11月20日

     

    大鏡建設が手掛けた CREマネジメントの事例をいくつか ご紹介しました。

    大鏡CRE 法人向け不動産活用セミナーvol5|人材採用力をアップする社宅戦略 企業の不動産活用とこれからの社宅の在り方 vol.5 2018年11月20日

     

    今回も、実際の写真(CRE導入前・導入後など)を交えながら、

  • 依頼内容
  • 問題点・課題点
  • 提案内容(問題点・課題点をふまえ どのような提案を行ったか)
  • CREマネジメント組み立て図
  • 結果、どのような効果がでたのか
  • という 5つのポイントで入石垣より説明させていただき、吉崎誠二氏には不動産エコノミストの目線からコメントをいただきながらのディスカッションです。

    今回は、低利用地の活用により 老朽化した建物を建て替え、家賃収入UPによりキャッシュフローの改善に成功した事例などの他、大鏡建設の社宅管理代行サービスについてもご紹介させていただきました。

    参加企業の皆様からは、具体的な質問なども多く声をあげていただき、有意義なディスカッションとなりました。

    大鏡CRE 法人向け不動産活用セミナーvol5|人材採用力をアップする社宅戦略 企業の不動産活用とこれからの社宅の在り方 vol.5 2018年11月20日

     

    その他 大鏡CREマネジメント研究所の概要・取り組みのご紹介

    最後に、大鏡CREの取り組みについてのご案内させていただき、

    どのようなフローで、どのようなデータをもとにマネジメントしていくのか、
    その企業のどこを「企業価値」として見出していくのか、をご説明させていただきました。

    参加企業様からの声(アンケートより抜粋)

    参加企業様に回答いただいたアンケートでは、

    「働き方改革を進めていくなか、社宅について検討する必要性があると思った。」

    「CREの概念に触れることができ、理解できた。」

    「事例紹介・ディスカッション・質問等で理解が深まった。」

    「自社の土地をもっと有効活用したいので、ぜひアドバイスが欲しい。」

    などのご感想をいただきました。ありがとうございました!

    また、
    参加企業様の興味関心がある事 をおたずねしたところ、

    ・自社不動産の有効活用について(社宅・倉庫・民泊・事務所移転・賃貸マンションなど)
    ・不動産を使って財務内容の改善・向上
    ・人材確保対策(事業規模の拡大・福利厚生の充実・その他)
    ・事業所数の拡大

    といった点に関心が集まっている企業様が多かったです。

    皆様 お忙しい中、ご参加いただきまして誠にありがとうございました!

    大鏡CRE 法人向け不動産活用セミナーvol5|人材採用力をアップする社宅戦略 企業の不動産活用とこれからの社宅の在り方 vol.5 2018年11月20日

    次回 フォーシーズンセミナー開催について

    次回の大鏡CREマネジメント研究所 フォーシーズンセミナー vol.6 は以下で予定しております。

    ■ 大鏡CREマネジメント研究所 フォーシーズンセミナー vol.6
    日時:2019年5月下旬(予定)
    場所:沖縄県立博物館・美術館(1F 美術館講座室)予定

    内容等 くわしくは 大鏡CREマネジメント研究所webサイトのほか、公式facebook、公式twitter でご案内させていただきます。

    公式facebook

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    facebook や twitter では、セミナー情報のほか、CREに関するコラム・最新情報などを発信しております。
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    大鏡CRE 法人向け不動産活用セミナーvol5|人材採用力をアップする社宅戦略 企業の不動産活用とこれからの社宅の在り方 vol.5 2018年11月20日

    大鏡CRE について 週刊カフウ で掲載【2018年11月16日(金)】

    大鏡CRE の取り組み・新しい提案・11月20日開催のセミナーについて

    2018年11月16日 の週刊カフウ『この人に聞く vol.164』に
    大鏡CREマネジメント研究所の取り組みや新しい提案、11月20日開催のセミナーについて取材掲載いただきました。

    大鏡CRE 週刊カフウ この人に聞く 掲載 20181116

    【企業の不動産活用と これからの社宅の在り方】大鏡CREセミナー vol.5 開催!2018年11月20日(火)14:00~

    前回も多くの企業様にご参加いただきました 大鏡CREセミナー 第5回 が開催されます!
    今回のテーマは、「企業の不動産活用と これからの社宅の在り方」。人手不足といわれる昨今、どこの企業も事業承継・繁栄のために 人財の確保が大きな問題となっています。採用応募の条件として、社宅や住宅手当などの住居関連の福利厚生の充実度を重要視する学生も多いといわれ、採用力強化のために 大切なポイントとなっています。
    こうした採用力強化のための不動産活用も、CRE戦略の一環となります。
    不動産を経営の力にするために、そして 企業の不動産活用と社宅について考えるセミナーです。

    大鏡CREセミナーvol5_企業の不動産活用とこれからの社宅の在り方

     経営者・経営幹部の方、人事・総務責任者の方、ぜひご参加ください‼

    日時:2018年11月20日(火)14:00~16:30 (13:30 受付)

    会場:沖縄県立博物館・美術館(1F 美術館講座室)

    定員:20社様 限定 ※事前予約制となっております。(受講 無料)

     【お申込み】事前に FAX 又は お電話にてお申込みください

    FAX. 098-857-9857 / TEL. 0120-711-739

    ※FAXでのお申込み:下記セミナー案内PDFをダウンロード、必要事項をご記入の上 FAXください。

    ※参加〆切 2018年11月19日(月)まで 【お問い合わせ:大鏡CREマネジメント事業部・波平 まで】


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    【賃貸住宅の建て替え】CRE(企業不動産)コラム vol.8

    【賃貸住宅の建て替え】

    日本では賃貸物件の建て替え期を迎えており、建て替えは今後かなり増えると思われます。

     沖縄県においても、その傾向が出始めると思います。1972年に日本復帰、そして1970年代後半くらいから住宅環境も徐々に整備されて賃貸住宅の建築数も増えてきました。沖縄県における賃貸住宅のほとんどがRC造であるため、耐久性の点からすると大きな問題はありませんが、見た目、住設機器等の古さは否めません。そうなると、賃貸住宅としての競争力は大きく低下してしまいます。
     沖縄県における賃貸住宅も建て替え期をむかえています。今回は賃貸住宅の建て替えの概要について考えてみます。

    ライフスタイルの変化も自宅戸建て住宅の建て替えの大きな要因

    一般的な自らが住む戸建て住宅については、築年数が40年を超えた辺りから、建て替えや取り壊し、もしくは物件を手放すなどと言った、次ステップをどうするかについて検討され始めます。
     自宅物件の築年数が40年を超える頃にこうした検討を始めるというのは、建物そのものの老朽化・破損などがトリガーとなることがほとんどだと思います。
    しかし、それ以外に要因があることも多いようです。家族環境の変化(具体的には、子供の結婚、進学等)により、このままこの家に住み続けることがベストなのか、という疑問がわき始めます。こうしたライフスタイルの変化の方が建物の老朽化より大きな要因になることも多いようです。

    賃貸住宅の建て替え要因

    大鏡CREマネジメント研究所|CREコラム「賃貸住宅の建て替え」|大鏡建設

     

     一方、賃貸住宅の建て替えの要因となるのは、老朽化でしょう。そして、その老朽化を意識するトリガーとなるのが、空室が目立つようになること、入居者様客付けに時間がかかること等があげられます。「空室が増えているのは、やっぱり、ウチの賃貸住宅はもう古いかな。。」というオーナー様の声が聞こえてきます。
     大都会の超人気エリ以外では、築30年を超えた賃貸住宅は競争力を失っていきます。築30年というと1988年施工の物件です。バブル景気の上昇機運の真っただ中に建てられた賃貸物件の中には豪華な仕様のものもあります。しかし、現在はスマホやPCで物件探しをする時代です。物件内覧に行く前に、ネットで条件を入れて検索し、そこで出てきたものの中から選んで、不動産会社さんに問い合わせるという流れです。この条件では、立地条件を除けば、賃料、広さ(間取り)、築年数でまず、ふるいにかけます。〇万円以下、〇〇㎡以上、築〇〇年以内、という感じです。「実際は古さを感じないいい物件だけど、物件案内が入らない・・」となってしまう例も多いようです。
     
     空室の増加は、賃料下落につながります。こうした悪循環が収まらないなら、いっそ建て替えを行おう!とすぐ決めれればいいですが、たいていはそんなわけにはいきません。ちなみに、いうまでもありませんが、大型リフォームをすれば、見違えるように新しい賃貸住宅になりますが、表記の築年数は変わりません。
    空室増、賃料下落は賃貸住宅経営の収益を悪化させます。建物の残債務や該当エリアの将来の賃貸需要などあらゆる要因から判断して、「大丈夫」となれば、建て替えステージに進むといいでしょう。

    賃貸住宅の建て替えの流れ

     自宅と異なり、「普通賃貸借契約」あるいは「定期借家契約」に基づいた賃借人がいる建物を建て替える訳ですから、これら賃借人の方の了解が必要です。ここが大きなハードルになります。賃借人の方々がすぐに了承してくだされればいいですが、時に弁護士の方に依頼する必要もあるかもしれません。
    また、ある時点から順次、入居者を募集しない部屋が出てきますので、その際の収益が悪化することも考慮しなければなりません。
     
     下図は一般的な賃貸住宅建て替えの流れ(概要)を示したものです。

    大鏡CREマネジメント研究所|CREコラム「賃貸住宅の建て替え」賃貸住宅の建て替えの流れ|大鏡建設

     

    ここで、示したように検討を始めたら、まず管理会社もしくは施工会社に相談してみましょう。 
    建て替えて、そのエリアに賃貸住宅需要がこの先30年以上十分にあるのか?競合する物件の数の予測は?など 今後の予測をきっちり立てなければなりません。それで納得すればGOとなります。その後先に述べた賃借人(入居者様)との折衝を経て、取り壊しを行います。この後の新たな賃貸住宅を建てることになります。

    不動産エコノミスト
    社団法人 住宅・不動産総合研究所 理事長
    吉崎誠二(よしざき せいじ)

    (株)船井総合研究所上席コンサルタント、RealEstate ビジネスチーム責任者、基礎研究チーム責任者 等を経て現職。不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーションなどを行っている。
    著書は『データで読み解く 賃貸住宅経営の極意』など多数。http://yoshizakiseiji.com

     

    【不動産からの賃料収入で会社経営を担保する】CRE(企業不動産)コラム vol.7

    【不動産からの賃料収入で会社経営を担保する】

     全国的に不動産価格が高止まりしています。沖縄も例外ではありません。

    2018年の住宅地地価公示の価格上昇率は沖縄県がトップでした。新築マンション価格(坪単価)は、ここ5年で大きく上昇し、それを追いかけるように中古マンション価格(坪単価)も、上昇を続けています。

     言うまでもありませんが、不動産デベロッパーは、不動産を仕入れ多少の手を加えて仕上げを行って、販売しています。また、不動産業者の中には、主に転売を中心に行っている企業もあります。長く続く不動産価格上昇期には、例えばビルや土地を購入して、少し時間をおいて、それを転売し、利ザヤを取るというシンプルなビジネスモデルです。こうした企業は大都市部には意外に多いものです。

    優良な自社不動産で 社員の雇用維持

     最近、こうした企業の中には、転売用に仕入れたの中で優良な不動産の転売を止めて、自社保有を進めているところも増えているようです。その意図は、この先の不動産市況が不透明で、いつまで今のような好景気が続くか分からない、その時に備えているわけです。同種の企業経営者と話をしていると、現在の社員の雇用を維持できる分の賃料収入を得ることをイメージしていました。たとえ、売り上げがなくても、所有する物件から得られる収益で、社員の雇用が維持できるという体制です。

     

    大鏡CREマネジメント研究所|CREコラム「不動産からの賃料収入で会社経営を担保する」

     

    不動産保有と長期安定企業 の関係

     少し詳しく見てみましょう。

    賃料収入-借入返済―OPEX(管理運営費用)が収益です。

    この収益が物件ごとにありますので、それらを合計(プラスマイナス)します。ただし、賃料収入は、空室リスクや賃料下落のリスクがあります。また、返済が終われば収益は大きく善良します。
    一方で、固定費用は割合が大きなものでは、人件費(福利厚生など含む)、オフィス関連費用(賃料など)です。この二つの差し引きがプラスになれば、いいわけです。

    空室リスクや家賃下落リスク他収益不動産には多少のリスクがつきものですが、それらが回避できれば、理論上「つぶれない会社」になるわけです。
    不動産賃料からの収益で企業の安定が担保されると、営業活動でのプラス分は、新たに企業拡大のための投資(人材、新規事業など)に回すことができます。このサイクルに入れば、企業成長が大きく期待できます。

     こうした例の代表格は、三井・三菱・住友 ・・・・といった財閥企業です。

    長期安定企業を目指すのなら、不動産を保有すること、これは黄金律です。

    不動産エコノミスト
    社団法人 住宅・不動産総合研究所 理事長
    吉崎誠二(よしざき せいじ)

    (株)船井総合研究所上席コンサルタント、RealEstate ビジネスチーム責任者、基礎研究チーム責任者 等を経て現職。不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーションなどを行っている。
    著書は『データで読み解く 賃貸住宅経営の極意』など多数。http://yoshizakiseiji.com

     

    【中小企業が行う業績向上のための不動産戦略】大鏡CRE フォーシーズンセミナーVol.4 報告

    不動産を通じて「企業価値の向上を図る」CRE戦略とは

    大鏡CREマネジメント研究所 フォーシーズンズセミナー vol.4 が 8月23日(木)沖縄県立博物館・美術館(1F 美術館講座室)にて開催され、自社不動産の活用や不動産を活用し財務内容の改善や向上など CRE(企業不動産)戦略について取り組もうとしている沖縄県内企業様(11社)にお越しいただきました。

    第1部「企業が行う不動産戦略と不動産投資の極意」

    大鏡CRE 法人向け不動産活用セミナーvol4|中小企業が行う業績向上のための不動産戦略セミナーvol.4 2018年8月23日|吉崎誠二氏 大鏡建設

     

    第1部では、経営コンサルタントで不動産エコノミストの第一人者である 吉崎誠二氏を講師に迎え、最新データを使った全国と沖縄の不動産市況解説や、企業の不動産戦略の考え方、企業が所有する不動産の有効活用の具体策などについて講演いただきました。

    大鏡CRE 法人向け不動産活用セミナーvol4|中小企業が行う業績向上のための不動産戦略セミナーvol.4 2018年8月23日|吉崎誠二氏 大鏡建設

     

    不動産を「持たない」経営から「持つ」経営へ

    2000年代前半は、不動産を「持たない」経営が多く、持たざる経営、合理的な経営が行われていたと想定されます。
    しかし 最近では「持つ」経営へと変化しています。不要な不動産、使っていない不動産、またはあまり効果的に使われていない不動産は思い切って処分する。一方で、本業以外の収益としての不動産賃料収入を得ている企業が多くなっているのです。

    賃貸住宅需要と賃貸住宅経営、不動産投資について

    日本全体の人口は減少傾向にありますが、将来世帯数・将来単身世帯数予測データによると、沖縄県においては2035年くらいまでは上昇傾向にあります。
    また、他の都道府県に本社を置く事業所数データによると、那覇市が全国で 増加率トップとなっています。
    これは、那覇市に支社が増えている=本社から赴任してくる人も増えている ことを表しています。

    つまり、この2つのデータから、沖縄県においては、賃貸住宅の需要が増えるということが予想され、
    インフレに強い賃貸経営ということも、企業の不動産活用において有効になることが考えられます。

    パートナー企業選びが大切

    最後に、CRE戦略のパートナー選びについて。
    企業の不動産戦略は、”今すぐ” でないことが多いので、普段からのつきあいが大切になってきます。
    そしてポイントは、「個人」ではなく「企業」で選ぶということ。
    その企業が関わった事例はどうか や、ずっと存続していける力のある企業なのかどうか。

    「売りましょう」「買いましょう」ではなくて、経営戦略と関連づけたアドバイスをしてくれるかどうか、が大切なのです。

    第2部「パネルディスカッション」吉崎誠二氏 × 大鏡建設 波平正弓

    大鏡CRE 法人向け不動産活用セミナーvol4|中小企業が行う業績向上のための不動産戦略セミナーvol.4 2018年8月23日|パネルディスカッション 吉崎誠二氏 大鏡建設

     

    第2部は、吉崎誠二氏と大鏡CREマネジメント研究所 波平(大鏡建設)によるパネルディスカッション。
    第1部で CRE(企業不動産)について学んだ後は、実際にこれまで大鏡建設が手掛けたCREマネジメント事例をご紹介しながらのディスカッションです。

    大鏡CRE 法人向け不動産活用セミナーvol4|中小企業が行う業績向上のための不動産戦略セミナーvol.4 2018年8月23日|パネルディスカッション 吉崎誠二氏 大鏡建設

     

    大鏡建設が手掛けた CREマネジメントの事例をいくつか ご紹介しました。

    大鏡CRE 法人向け不動産活用セミナーvol4|中小企業が行う業績向上のための不動産戦略セミナーvol.4 2018年8月23日|パネルディスカッション 吉崎誠二氏 大鏡建設

     

    今回も、実際の写真(CRE導入前・導入後など)を交えながら、

  • 依頼内容
  • 問題点・課題点
  • 提案内容(問題点・課題点をふまえ どのような提案を行ったか)
  • CREマネジメント組み立て図
  • 結果、どのような効果がでたのか
  • という 5つのポイントで波平より説明させていただき、吉崎誠二氏には不動産エコノミストの目線からコメントをいただきながらのディスカッションです。

    大鏡建設では、これまで数多くのCREマネジメントをさせていただきましたが、改めて企業の不動産活用の方法は様々であることがわかります。

    大鏡CRE 法人向け不動産活用セミナーvol4|中小企業が行う業績向上のための不動産戦略セミナーvol.4 2018年8月23日|パネルディスカッション 吉崎誠二氏 大鏡建設

     

    その他 大鏡CREマネジメント研究所の概要・取り組みのご紹介

    最後に、大鏡CREの取り組みについてのご案内させていただき、

    どのようなフローで、どのようなデータをもとにマネジメントしていくのか、
    その企業のどこを「企業価値」として見出していくのか、をご説明させていただきました。

    参加企業様からの声(アンケートより抜粋)

    参加企業様に回答いただいたアンケートでは、

    「遊休地、低利用地活用事例等があり 理解しやすかった」

    「初めて聞く内容で、興味深かった。」

    「不動産事業 戦略の糸口が見えた。」

    「具体的事例の紹介があり、理解が生まれた」

    などのご意見をいただきました。ありがとうございました!

    また、
    参加企業様の興味関心がある事 をおたずねしたところ、

    ・自社不動産の有効活用について(取得、賃貸、売却)
    ・不動産を使って財務内容の改善・向上
    ・事業承継時の不動産の引継ぎ

    といった点に関心が集まっている企業様が多かったです。

    具体的には、

    「今の工場が狭くなったので新しく物件がほしい」

    「事務所移転後の旧本社の土地・建物の活用を考えている」

    などのコメントも頂戴しています。

    皆様 旧盆期間中のお忙しい中、ご参加いただきましてありがとうございました!

    次回 フォーシーズンセミナー開催について

    次回の大鏡CREマネジメント研究所 フォーシーズンセミナー vol.5 は以下で予定しております。

    ■ 大鏡CREマネジメント研究所 フォーシーズンセミナー vol.5
    日時:2018年11月20日(火)14:00~ (予定)
    場所:沖縄県立博物館・美術館(1F 美術館講座室)予定

    内容等 くわしくは 大鏡CREマネジメント研究所webサイトのほか、公式facebook、公式twitter でご案内させていただきます。

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    大鏡CRE 法人向け不動産活用セミナーvol4|中小企業が行う業績向上のための不動産戦略セミナーvol.4 2018年8月23日|吉崎誠二氏 大鏡建設

    【中小企業が行う業績向上のための不動産戦略】 大鏡CRE必聴セミナーVol.4(不動産活用・投資編) 開催します!

    前回も 多くの企業様にご参加いただいた 大鏡CREセミナーの第4回が開催されます!

    第1部は、経営コンサルタントで不動産エコノミストの第一人者・吉崎誠二氏を東京より講師に迎え、最新のデータによる全国と沖縄の不動産市況の解説や 企業の業績向上と不動産戦略の関係性について、企業所有の不動産の有効活用の具体策 などを語っていただきます。

    そして第2部では、吉崎誠二氏と大鏡CREマネジメント研究所スタッフによるパネルディスカッション。大鏡建設が手掛けた実例をディスカッション形式で解説するほか、大鏡CREマネジメント研究所の取組みと ご提案までのフローについて ご説明させていただきます。

    前回セミナーでも パネルディスカッションでの実例紹介が「CRE初心者でも わかりやすい」と好評。実際の写真をみながら、組み立てについてご説明しますので 初めてCRE戦略を考えておられるという企業様にはぜひご参加いただきたいと思います。

    ————————————————————————————————
    【中小企業が行う業績向上のための不動産戦略】大鏡CRE必聴セミナーVol.4

    日時:2018年8月23日(木)
    14:00~16:20 (13:30 受付)
    会場:沖縄県立博物館・美術館(1F美術館講座室)
    定員:30名様限定
    申込み:以下よりお申込みPDFをダウンロードいただき、必要事項をご記入の上、
    FAX 又は 記載されているフリーダイヤルにお電話にてお申込みください。

    cre seminar vol4 right

    cre seminaer vol4 left

    申込みPDF
    お問合せ:大鏡CREマネジメント事業部 (担当:波平)
    0120-711-739 (フリーダイヤル)


    セミナーのレポートをみる
    大鏡CREマネジメント 法人セミナー|中小企業が行う業績向上のための不動産戦略2018年8月23日 大鏡建設|セミナー報告

    次回 大鏡CRE 法人向け 不動産活用セミナー vol.4 について

    次回 大鏡CRE 法人向けセミナー開催について

    次回の大鏡CREマネジメント研究所 フォーシーズンセミナー vol.4 は以下で予定しております。

    ■ 大鏡CREマネジメント研究所 フォーシーズンセミナー vol.4
    日時:2018年8月23日(木)14:00~ (予定)
    場所:沖縄県立博物館・美術館(1F 美術館講座室)予定

    内容等 くわしくは 追って(7月末~8月上旬予定)
    大鏡CREマネジメント研究所webサイトのほか、公式facebook、公式twitter でご案内させていただきますので
    今しばらく お待ちください。

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    大鏡CRE ROK ラジオ出演中【2018年7月2・9日】

    ROK『ユーグラデーションタイムチョイス‼』番組内の大鏡建設ミニコーナー「DAIKYO eyes(ダイキョウ アイズ)」で
    7/2・9 大鏡CREマネジメント研究所の紹介をしています。

    謝花・波平が、CRE(企業不動産)戦略について わかりやすくお伝えしています。

    ~ 主な内容 ~
    ・7月2日(月)5月に開催されたCREセミナーの振り返り
    ・7月9日(月)不動産活用で経営を安定化する とは

    1週間のスタート、月曜 18:05~ ぜひ耳を傾けてください!

    ROKラジオ 大鏡建設のミニコーナー【DAIKYO eyes】